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三昧(サマディ)までは何哩(マイル)?

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Down to the earthーキノ・マクレガーの2nd シリーズ  

遅ればせながらの感想。

YouTubeを介してキノ・マクレガーの動画が世界中のアシュタンギの目に触れ始めたのが2年ほど前。バックベンド、ラージャカポターサナ、3rdの最初のポーズを、しなやかに軽やかに行う彼女の練習を、素人カメラが収めた動画は、誰もが一度は目にし、ある種の反応を私達に引き起こした。

そしてプライマリーのDVDや、コペンハーゲン、ゴアでの練習の動画などで、アシュタンガ・アンバサダーとしての彼女の姿は、我々アシュタンギにとって「あのムチャクチャ身体の柔らかい/オンナだてらに力強い」という枕詞付で、今までになかった新しいタイプのローモデルとして存在感を深めていった。

ジムナスティックやダンスのバックグラウンドを持たず、特別に柔軟な身体条件を持たず、ごくごく一般的な身体能力で、ある程度の年齢を経てからアシュタンガを始め、自らの肉体の制御に手を焼き心を悩ませ練習を続けてきた人ならば、彼女の動画を見ては、恐らく同じ言葉を飲み込んでいたことだろう。

多くの男性陣や私のように柔軟性に欠ける女性アシュタンギにとって、彼女のパカーンと開いたバックベンドは、目標にするとか羨むというよりはむしろ、「別次元の生き物」のような違和感を感じたのではないだろうか。自分にとっては、鼻息荒く、顔を真っ赤にして、全身を力ませて、やっとのことで身体を持ち上げられるブリッジ(もどき)・・・それを10倍くらいコンパクトに折りたたんだようなバックベンドを、何の苦もなくサラリとやってのける彼女の姿を目の当たりにして、「あれが人間の身体で可能な動きならば、私のこの肉体を制限しているものは、いったい何なんだろう?」という素朴な疑問に首をかしげたのは、私ひとりではないはずだ。

一方で、身体の柔軟性が高すぎるがゆえに力強さに欠ける女性陣にとっては、彼女の「しなやかながらも逞しいアンチ重力系バランス技」に、「えっ?女性でも、そんなことができるの?」と目からウロコしたことだろう。ましてや、ローレン女史やメイちゃんのように、余分なお肉のない長身スレンダー体型ではなく、どちらかというとチビで胴長で手足が短くお尻が大きくポッチャリしてる典型的な「アンチ・アシュタンギ」体型にも拘らず、だ。穿った見方をする人ならば、あれだけムッチリと逞しい筋肉をつけてれば、男並みに力技は可能だよね、と言うかもしれない。それでも、彼女のアームバランスやハンドスタンド系のアサナには、力技という言葉では括れない優雅さ、しなやかさ、そして、静謐な落ち着きがあり、それこそが私達を感嘆させたのだと思う。

いずれにせよ、2009年の私達にとってのキノ・マクレガーというのは、「私達とは違った次元にいる、スゴイ人」という存在であった。そう、この2ndのDVDが出るまでは。


kino.jpg



基本的にアシュタンガの練習は、現在の自分の壁にチャレンジする、という側面がある。スートラいわくのアサナの定義が、「スティラ/スクナム」という両極のバランスを意味するのであれば、私達はまさに、毎朝不可能なポーズに挑戦するという執着と表裏一体の行為の中に、アーナンタ・無限の中に溶けてゆく瞬間を経験しているわけで、「簡単でラクチンで得意なポーズをフフフーンとやって悦に入る」とかいう底の浅いお遊戯ではないことは確かだ。そしてそれはアシュタンガを始めたばかりの初心者から、そこそこ経験をつんできた中堅ドコロから、永年のキャリアを持つ大御所まで、どんなレベルであろうと、一切の差はなく、みんな同じコトをやっている。

にもかかわらず、キノや他のプラクティショナー達の動画やDVDを見ては、「いやー、彼等/彼女等は次元が違うから」と、一種の線引きをしてしまう私達の心理が、ここにはある。・・・なんでだろう?と思ったときに、結構簡単に答えは出た。

オフィシャルに公開されている動画や、販売されているDVDというのは、基本的に「パフォーマンス」でしかない。いちプラクティショナーとしての、汗をかき、もんどりうって、転んでは起き、また挑戦して・・・といったリアル生出しの練習光景は、エロ動画と一緒で普通はあんまり公開されない。

これまでに見たことのあるアシュタンガのDVDを思い出してほしい。メイちゃんにせよ、ジョン・スコットにせよ、シャラートにせよ、みんなため息が出るほど美しいパフォーマンスだ。彼等/彼女等は、私と違ってマリーチDで必死になったり、ドロップバックからのカムアップでもんどりうったりしない。そういう”みっともない””かっこわるい”コトとは無縁の世界に生きてる雲の上の人たちなんだー、と思わせてくれる。「見苦しい部分は見せない、美しい部分だけ見せる」という手法は、アシュタンガヨガの啓蒙というよりは、エンタメ志向&商業的成功を到達点としているというか、「夢を売る」お仕事に終始しちゃってるともいえるのだが。

その例として面白いのが、Michael Gannonの"From earth to heaven"というDVDだ。なんとプライマリーからセカンド、サード、そしてフォースの途中までをでぶっ続けに行う彼のパフォーマンスは、最初の太陽礼拝を見れば一目瞭然なのだが、バックベンドが苦手らしく、カポターサナはしっかりと飛ばしている(笑)・・・できなくても飛ばすなよ、とか私は思うのですが。

それとは対照的なのが、Anne Nuotioのプライマリー、セカンド、サードがひとつにまとまったDVD。これはyouTubeでも動画が見られるので、ご存知の方もいるかもしれないが、こちらはパフォーマンスというよりは、「いちプラクティショナーとしての練習」を「見せて」いる。プライマリーは優雅にしなやかにこなす、セカンドも殆どが余裕をかましてる、だけどサードに入ると「ストラグル」している様が手に取るように判る。失敗するポーズもある、だけど、それはそのまま見せている。私個人的には、キノ・マクレガーより親近感が持てて好きだ。http://www.youtube.com/user/AshtangaVinyasaYoga

さて、いい加減に本題に入ります。キノの2ndのDVDは、プライマリーDVDで見せてくれた美しい余裕シャクシャクの「パフォーマンス」から、一気に「イチ個人のプラクティス」へと様変わりしている。この2ndのDVDで彼女は、汗をダクダクにかいて、息の乱れも感じさせ、カランダバーサナでは「私はまだ完璧にできません」というコメント入りで、オデコを床につけてのカムアップだし、ピンチャでは「このポーズでバランスをとるのに数年の努力を有した」とか、マユラーサナも「わたしゃ2年かかったのよー」とか、くどいくらい「セカンドは超難しいチャレンジングなシリーズで、何年もかけて練習するものです!」と強調している。

”あの”キノですら、こんなに頑張って努力してるんだなー、と素直に受け止めれば、「私」と「彼女」の境界線が消えるだろう。アシュタンガヨガのシステム上、どうしても「アサナの進捗ヒエラルキー」に支配されがちだが、前述した「誰もがそれぞれのレベルにおいてチャレンジするのがアシュタンガヨガ」という部分で、私とキノの間に隔たりはないのだ!、と再確認できる。

別次元にいるのかと思ってた彼女が、この2ndのDVDで私達に指し示したメッセージは、ここなんだろうな、と思う。別に彼女がヨッコイショとDown to the earth地上に降りてきたわけではなくて、彼女を「雲の上」に置くことで隠蔽していた私達一般ピープルの「妬み心」を、もう一度ちゃんとリセットするためにも、このDVDは必見。

勿論、「ちょっとー、貴方の身体能力とけ永年の経験をしてカランダがあがらないワケないでしょー」と突っ込みいれる性格の場合は(私だ)、違った視点で楽しめること請け合い。

おお、相変わらず尻切れトンボでごめん。



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コメント

Re: Down to the earthーキノ・マクレガーの2nd シリーズ

昔パガニーニという変態エロおやじのバイオリン弾きがいました。リストなんかも、負けたぜ ピアノ界のパガチャンになってやるーと言ったとか。
パガニーニは、当事悪魔に魂を売り渡して手に入れたといわれた超絶技法の持ち主。
今では、その技法は練習によってたどり着けるものです。モチロン 難しい事には変わりはない。
私が知りたいのは、そういう練習法
自分のからだにとって合理的な練習法を探して・・・
エット
お尻が張って 気がついたら痛くて 3週間ほど練習できてないよ サボり癖がしっかりつきましたヨ♪
お後がよろしいようで・・・笑いの神はどこにいるー

URL | 愉 #SFo5/nok
2009/12/14 14:05 | edit

Re: Down to the earthーキノ・マクレガーの2nd シリーズ

そろそろ私の手元にもDVDが届く予定なのですが…まだ見てません。
あのKino様でさえ(!)汗ダラダラの2ndシリーズ。。。
私がへたれてもしごく当然、問題ない話しなのですネ。
ちょっと気持ちが楽になった気がする。

URL | Makity #6LtesTeA
2009/12/15 09:27 | edit

愉さん

超絶技法・・・!
人類が到達しうる限界というのは、常に進化しますからねー。
ある意味不可能はないのかもしれない?

しかしヨガアサナの合理的な練習法からは
とっても遠いところに自分がいる気がしてます^^

オシリお大事にー!
私もオシリは1年以上ずっと痛いです・・・なんで?
腰から来てるのかな?

URL | Miwa2 #-
2009/12/17 21:23 | edit

Makity

そうなのよー!
ダレたり、へこたれたり、そんな自分もオッケー!
って思わせてくれますよ~^^

もちろん軟体キノ嬢ですから
「いやー、そこまで、できちゃうのも、なんだかなー」
という部分もいっぱいありますけど(笑)

そんなカポタは止めてー!
とか

URL | Miwa2 #-
2009/12/17 21:26 | edit

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